汽車旅モノローグ~鉄道小話

鉄道の話題・今昔話を綴るブログ。旧「黒羽君成の鉄道小話(北海道コラム)」

鉄道全般・出来事

新十津川駅に行ってみませんか?【後編】

2016/08/13

前半】では、かつて札沼線が、新十津川で分断された時、「札沼線複線電化、滝川接続」という運動が盛んであったこと、新十津川町はまとまった駅勢人口があるのに列車は3往復の発着のみであることをお伝えいたしました。

そして、それは新十津川駅周辺のバス輸送が堅調なためである可能性ではないかということも・・・

新十津川・滝川間は直線距離にして3kmです。

とはいえ間には石狩川があり、両地点を結ぶ架橋に相当額を使わなくてはならないでしょう。

一方で、札沼線の北側は3往復で、増便陳情の話も聞こえてきませんので、厳しい言い方をすれば、この地区の鉄道の役割は終わったと言っていいのかもしれません。

 

しかし、過去に廃止された長大4線(池北線→ふるさと銀河線、名寄本線、天北線、羽幌線)周辺や鉄道廃止の地域を見てみますと、 過疎が進む以上に、住民の高齢化が進み「限界集落」とまで行かなくとも将来の沿線の姿が暗示されるような報告もないではありません。

新十津川地区も、本格的な「秘境あるいは秘境駅」と呼ばれる前に、鉄道復権を柱に町と札沼線を盛り上げよう、と言うのが私のこれから申し上げる「妄想」であります。

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新十津川のバス路線

ではまず、堅調であろうバス路線についてみてみましょう。

バス路線はすべて北海道中央バスです。

 

・新十津川役場から下図「B:啓南団地」を通り滝川駅横の滝川バスターミナルに至る便:終点は滝川市内東方の団地

14.5往復、所要11分(朝ラッシュ14分),6から18時まで1本/時、220円

・滝川(タ)から下図「A:橋本町」を通り新十津川役場に至る便:終点は新十津川西方の団地など

14.5往復、所要11分(朝ラッシュ14分),6から18時まで1本/時、220円

・滝川(タ)-A:橋本町ー新十津川役場に至る便:そのご花月(下徳富)を経由し、終着は砂川市立病院(4本)と浦臼駅(5本)

滝川・砂川間:38分、480円

・滝川ー砂川ー奈井江・美唄の「滝川・砂川間」

6から18時まで1本/時、13往復:20分、310円

・砂川ー滝川ー芦別の「砂川ー滝川間」

1日4往復21分、310円

 

まとめますと
<・・・勝手に「橋本町」廻りをA北廻り、「啓南団地」をB南廻りと名付けました。>

■滝川・新十津川間:A北廻り23.5往復、B南廻り14.5往復
■滝川・砂川:国道12号線経由17往復、国道275号線経由4往復 (通し乗車の方はいないと思いますが)
■滝川ー新十津川ー浦臼:5往復
■この他に札幌・新十津川間に高速バス、1往復、1時間37分1430円。

【JR】
■滝川・砂川:各駅停車16往復、7-23時まで、ただし正午前後は2時間に1本、所要7-8分、210円
特急28往復、7-23時まで、所要5分、特急料金300円
■新十津川・札幌:約2.5時間、1600円

 

確かに、滝川・新十津川間は頻回運転です。

しかし、砂川ー滝川ー新十津川ー札沼線と列車が運行されたらどうでしょう。滝川・砂川では所要時間・運賃でバスに勝てそうです。

とはいえ、工夫なしで、この運転頻度を打ち負かすのは容易なことではなさそうです。しかも、地域に完璧に密着しているようですし。

 

そこで、鉄道復権に路面ディーゼル車というのはいかがでしょう?

昭和33(1958)年から札幌市交通局で走らせていた実例があります。

D1000-1040型は、車長13.1m、車重14.5t、バス用ディーゼルエンジン前期型120馬力、後期型130馬力、定員は前期型110人、後期型90人で(前・後期各7輌ずつ)、製作はすべて東急車輛でした。

実は、トップナンバーのD1000型D1000(1両のみ作られました)は、横型エンジン、トルクコンバータ(最終段は「自動進段」)、エアサス台車の組み合わせでデビューしましたが、同じメカニズムでは国鉄キハ80型での採用に先んずること2年、また2軸駆動を採り入れたのも同キハ60よりこれもまた2年早く、エポックメイキングな車両でありました。

なお、馬力負担重量は前期型121、後期型111kg/psでした。

これは現在第3セクター中心に走っているディーゼル車は長さ18m級で、車重30トン、300-350馬力(馬力負担重量:86-100kg/ps)が主流ですので、札幌市交のディーゼル車は路面の併用軌道ばかり走っていればよかったのですから、さして高速は要求されることはなかったでしょうけれど、50年前とはいえ、この数字はなかなか良好な値ではないかと思えます。

ところで、ディーゼル動車の実際の運用(路線図・図1)ですが滝川・新十津川間に新設軌道を敷き(赤線)、実際には滝川・砂川間、また新十津川・浦臼間の乗り入れも行なってみてはどうでしょう。

新十津川・滝川間ディーゼル動車運用概念図

図1:ディーゼル動車運用概念図

●紫線:ディーゼル動車の乗り入れ区間(札沼線は終着
未定・函館線は砂川・滝川間
■赤線は新設軌道。軌道法に基く。
バス停;橋本町経由=A・北廻り、啓南団地経由=B・南廻り

乗り入れを含めた、車の動きは、①(砂川ー)滝川ーA・北廻りー新十津川ー札沼線乗り入れ。

B・南廻りでもよいのですが新十津川でのスイッチバックは 面倒そうです。

②滝川ーB・南廻りー新十津川役場ーA・北廻りー滝川

となるのが良いと思います。
循環線を作ると二重投資のご指摘を受けそうですが、仮に北廻りをはずしますと今度は軌道・バスの二重投資となり、保守も大変になります。

循環線はぜひ実現したいものです。

 

もうお気づきでしょうが、今回の鉄路敷設は、如何に安上がりに滝川・新十津川を結び、バスに対抗できるものにしようということなのですから。

もしこれがうまくいくと、ホントに?新十津川と滝川がJR規格で結ばれるかもしれません?

①②の組み合わせで、現在北廻りの本数が多いので、それにあわせてみました。バス時刻表では北・南回りは大体等距離のようです。

滝川での両廻り同時出発で列車離合は新十津川と滝川のみでいけそうです。

そろそろ、問題点をあげていきましょう。

 

1.車両はどのようなものを作るか。

現在の大型バスの定員は70-80名前後ですので、それに準じたものを考えました(図2)。
・着席定員27、立ち席定員、44人。
・11m級、車体重量は16t。仮に70人乗車(平均体重60kg/人)、自転車8台搭載(平均車重:17kg,後述)したとします。

人4.2t+自転車:136kgを加えて20-21t見当でしょうか。

エンジンは、鉄道も走ることを考えて300psクラスがいいですね(70kg/PS)。

鉄道線乗入路面ディーゼル車

図2: 鉄道線乗入路面ディーゼル車

  • 乗務員室(乗)は両エンドの3分の2。使用しない時は中央の壁を折りたたんでそこに自転車を2台。右エンドの4人がけははね上げ式でそこに自転車を各3台。
  • 白枠のクロスシート(WC隣接と2脚)は固定で、黒塗りは転換式。
  • ロングシートは隙間なく座って頂くよう、4人ごとに手すり状のものをはさめてみました。
  • 水色□は車いすスペース。赤線は風除けのアクリル板と自転車3台のイメージ。
  • 立ち席定員は、車体中央部片側7mに16人(3人/1300mm)、ドアに4人、乗務員室を使わないエンドに2人。片列22人。両側で44人。着席定員は27人、計71人。

 

2.どこを走らせるか?

腹案としては図1のとおり新設軌道はほとんど併用軌道です。一般国道と平面交差が2箇所ありますが、 踏切を設けて軌道優先にせず、通常の市内電車のごとく、交通信号に従います。

石狩川の渡河も2箇所あります。国道橋に軌道敷を設けることを考えました。すべて、新設軌道部分は軌道法下の建設です。固定資産税は不要ですし、除雪は道路管理者の責任です。

万一、増結が必要な場合、1ユニットで22-23mとなりますが、一回の信号変化の時間内に、2箇所の交差点はわたりきれると思われます。

 

また、併用橋になった場合、戦前からの話を持ち出すと、主要道の橋は、20tの武器が通っても強度的には大丈夫(ホントカナ?)らしいので、今回の気動車は定員乗車で20-21tになるようにしました。

増結した場合の、橋の強度との関係は確認が必要そうです。

 

3.鉄道乗り入れについて

札沼線の乗り入れは浦臼(札幌から65 km、新十津川から14km)、月形(札幌から48km)石狩当別(同51km)のいずれかまでという区切りが、判断が容易と思われます。

ディーゼル車が浦臼まで行きますと、JRの新十津川・浦臼の区間運転が不要になります。

月形まで行くと、岩見沢行きのバスが出ています(中央バス)ので、地域連携交通網が密になります。

函館線(特に江別・幌向間)が風雪害で普通になったときは、万が一でも(可能性は少ないですが)
札幌ー桑園ー(札沼線)-月形ー新十津川ー滝川
あるいは
札幌ー桑園ー(札沼線)-月形ー(中央バス)-岩見沢ー
とでもなるでしょうか。
岩見沢より北部に行けるかもしれません。

医療大学や当別まで行きますと、在来のディーセル車も不要になります。

本当に勝手ばかり書いてきましたが、

1)バス並みの停留所の確保ができるかどうか?

砂川ー滝川間は1駅間(7.6km)ですので時間を選べば何とかなりそうです。

札沼線は新十津川から月形あたりまでですと、バス並の停留所新設が期待できそうです。
さらに、駅から自宅などへの距離がある乗客には、新十津川ー浦臼・月形あたりまで自転車車両内持込可にしますと、乗客はふえます!
増えそうです・・・と思います。

2)各駅のホームの改良が必要

高床車であれば、停留所の安全地帯は必須。
低床車であれば、ホームの高さが2種類必要になりますね。

 

と、あまりにも荒唐無稽なことを書き連ねました。

鉄道に興味がない方でも、「おらが町」の鉄道がなくなることは一大事でありましょう。

この記事を読んでくださった皆さんに、鉄軌道を残すということは過疎(秘境?)を作らないまでも、超過疎化までは遅くする手段になりうることをわかっていただきたく、最後は余計なお世話半分で書いてみました。

 

文・図/黒羽 君成