汽車旅モノローグ~鉄道小話

鉄道の話題・今昔話を綴るブログ。旧「黒羽君成の鉄道小話(北海道コラム)」

鉄道雑学

【江差線廃止問題考察 ①-3】 「江差発(雲石峠経由)八雲行きバス」

2018/06/10

ここ、①-3では江差線沿線の方々が、江差線がなくなることによって、八雲以北の町をご自分の生活圏としてどの程度必要とするのかを推測していきたいと思います。

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函館バス「江差ー八雲線」

その前に、函館バスさんの「江差ー八雲線」についてチョコッとふれておきたいのですが、私ついぞ勉強不足でして、このことにつきましては皆様、・・・雲石峠(標高427m)(Wikipedia:『函館バス』 3バス事業、3.1.3.3.知内・松前・江差方面「江差ー八雲線」)をご覧ください。

そこには、昭和45(1970)年に一旦熊石ー八雲間が休止になりましたが、昭和62(1987)年、夏季季節運行で再開、平成3年(1991年)から通年運行とありました。

現在は1日2往復ながら、八雲ー江差間2時間10分、すべての便が八雲で特急と接続といった好条件で走っております。

2時間10分は函館廻りですと、八雲・函館間が55分程度、そこから、JRですと木古内についたあたり、残り木古内・江差70分、しかも1日6本です。

バスですと厚沢部の半分まで来たあたりで、残り50分乗車、こちらも1日6本。

唯一の欠点は、雲石峠、霧の名所で道路改良工事は100%とは言えません。特急を逃してしまうことがある、ということでしょうか?

 

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<図2>「江差ー熊石ー八雲」バス路線概念図

 

では、江差をもう少し早く出発すればいいのに・・・それもそうですね・・・私にはその辺の事情はよくわかりません。

八雲での特急待ち時間は20-30分ありますから、これ以上遅れた場合は、やはり、天候などのアクシデントなり不可抗力なりを考えるべきで、毎回その責任をバス会社さんに帰するのは・・・どこのバス会社も引き受けなくなってしまいそうです。

・・・・といったわけで・・・確かに、わずかの差で逃してしまう、といった欠点はあるものの、函館廻りより便利そうですし、函館廻りにした場合に、JRは木古内から江差まではなくなってしまうし、厚沢部廻りのバスは時間がかかりすぎているようであります。

 

バス乗車率と補助金

では、現在この2往復の乗車率はいかがなものなのでしょう?
全くわからないか?といえばそうでもありません。

実は・・・というほどゴクヒ事項でもないのですが、皆様は、私鉄あるいは、私有バスが赤字経営になると「オカミ」からナニガシかの補助金が出るのはご存知と思います。

しかし、これにも限度というものがあるらしく、そーですねー、テストで言ったら「赤テン以下の乗車効率の低さ+将来的に回復の見込みが立たない」といった場合には、補助金が打ち切られることもあるようなのです。

最近のことで、私が存じあげる限りでは、北海道の後志管内に本社を置く「ニセコバス」がこの制度に引っかかったようです。

*寿都線:寿都ー岩内ー小樽を3往復
*雷電線:寿都ー岩内を3往復

このように運行しておりましたが、平成20(2008)年9月号の「道内時刻表、交通新聞社」に「10月1日から、ニセコバスの寿都ー小樽便なくなるからねー」と告知が出ておりましたら本当に走らなくなってしまいました。(「北海道中央バス」さんが「札幌・岩内間」を15-17往復しておりますが、寿都在住の方には、やはり全便岩内乗り換えはメンドーなよーです)。かろうじて雷電線6往復に短縮維持して現在も運行中です。

 

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<図3>寿都線と雷電線の担当距離
寿都ー岩内:40km、岩内ー小樽:64km=雷電線:40km、寿都線:104km

 

この辺の事情はきちんとした文献を載せるのがスジと思いますが、私は、小学1-3年まで寿都で育ちましたので(2011.10.30「100の質問のA2(当時のハンドルネームはカラスのクンセイ」)、特に仲良くしていた友人にバス便が減便になった理由を尋ねましたところ、過疎で乗る人間がいなくなったと教わり、大変びっくりいたしました。

 

今のところ、「江差・八雲便」については、減便や、経路短縮の話は伝わってきていませんので、できれば、このネットワークを太くしていただきたいものと思います。

地元の方は「2往復で足りているよ」とお考えの方もおられると思いますが、路線バスの往来が頻繁になりますと、峠道の路面改良工事がより早く進むようですので・・・また、もうひとつ、江差方面の交通手段の改善案がありますが、「これはいまさらナンダイ」というシロモノですので、最期に・・・

 

①-3 おしまい
→次回は②ですが、経済と防衛費問題です。

 

 

(図・文 / 黒羽 君成)