汽車旅モノローグ~鉄道小話

鉄道の話題・今昔話を綴るブログ。旧「黒羽君成の鉄道小話(北海道コラム)」

鉄道雑学

【江差線廃止問題考察 ①-2】 「道立江差病院の立場」

2018/06/10

前回、①-1「道路(バス)は鉄道の代わりになるか?」では、

◎たとえば軌道撤去後の道路に並走する道道の整備が万全ではないところでは、今の道路状況で代替バスが走り始めるだろうか?・・・といった疑問

◎ここで江差線沿線が災害などで困った状況に陥ったとして、近隣の住人を例えば内浦湾側に避難させるのに道路と鉄道両方で、避難と救助を3方向に分業できたらいいな、

といった夢物語の ようなご提案を述べましたが・・・、

今回は、江差の人々の生活の目はどちらを向いているのだろうかということを、考えてみたいと思います。・・・余計なお世話かも?

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1.水道ほか生活物資/インフラのすべて
2.日用品の入手
3.嗜奢品の入手
4.余暇の利用
5.衛生面

これらを
・江差周辺で消化しておられるのか
・函館派か
・札幌派か?

フツーに考えて1-5を江差圏・函館圏で折半して生活していらっしゃるといったところでしょうか。

それでは、道道5号線に代替バスが走らなかった場合を想定します(まずないと思いますが・・・)。

体調が急に悪くなった車の免許をお持ちでない方が「神明」お住まいだとしましょう。そして周囲の人たちも誰一人車が運転できないと仮定しましょう(これもないか?)。

地域の基幹病院であります道立江差病院(「南檜山第二次保健医療福祉圏の中核医療機関、地域センター病院、同保健医療福祉圏の災害拠点病院であるほか、臨床研修指定病院、エイズ治療拠点病院の指定病院)」まで、

*24kmをタクシーで行くか
*木古内までの18.5kmをタクシーで行き、そこから函館まで鉄道を使うか
*函館にしろ、木古内にしろ、まず救急車を呼びそれから考える

一番最後の選択が可能性が高そうです。

 

さて、今度は、患者さんが江差より北で発生した場合で、江差がよいか、函館まで行かねばならぬかの選択の時は?

江差病院によっても「函館で治療したほうがいいね」、と指示が出て、そのまま函館に行けますからいいですが、例の分水嶺を通らなくてはなりません。

では、はじめから、北廻り、厚沢部廻りの道路を行った方が単純明快ではありませんか?

江差病院は本来が不要ということでしょうか?それに江差や周辺自治体の人口が減るのでは・・・鉄道がないともっと速いスピードで減りますよ!!(欄外ご参照ください

中核医療機関としての位置づけの意味はなくなっていくのではないかと心配です。
平成10年に新館が落成したばかりなのに・・・

 

とにかく今後の立場が難しくなるでしょうね?

①の3/3では、江差の方々が函館廻りで札幌までお越しいただくのは、ちょっとメンドーになりました。

それでは、現在1日2往復の「江差ー八雲」便を育てて函館を通らずとも、八雲以北に行ける体制作り強化を「函館バス」さんあたりは考えてくださっているのでありましょうか?

マタマタ、よけーなおせわ・・・?

 


 

本来ですと実数地値をお示しすべきところですが各年「平成年国勢調査速報 北海道企画振興部計画室統計課 北海道市区町村別人口・世帯数(要計表による人口・世帯数)」が転載不可になっているものですから簡単に箇条書きに函館地区の人口の変化をお示しします。

◎2035(平成47)年予測値/2005(平成17)年実績比では、函館市やその周囲の自治体の人口は軒並み60-70%に落ち込んでいる。
北海道全体での84%の落ち込みから比べると、著しく大きいのです。

◎上記30年間で人口増加を予想される道内自治体は札幌を含め7か所にとどまります。

☆再度ながら「上記予想値には*江差線廃止*は盛り込まれていない」ことを強調しておきたいのです。

 

①-2終了 ①-3へ続く

 

(文/黒羽君成)