汽車旅モノローグ~鉄道小話

鉄道の話題・今昔話を綴るブログ。旧「黒羽君成の鉄道小話(北海道コラム)」

鉄道雑学

【江差線廃止問題考察 ②】 経済と自衛隊について「特に2010年の大型国家予算の使い道?」

2018/06/10

一応、文頭(①-3)に「第3セクター協議会で試算された、開業から3年間での51.6億円という赤字額は、本当に江差線の息の根を止めるほどの絶望的な大金なのか?」と書かせて頂きました。

少ない金額である、と申し上げる気はさらさらありません。
それはどうかしていると思います・・・

*本文を始める前に関係者の方々に申し上げておきたいことがあります。

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自衛隊の存在を否定・非難しているものではありません。
◇お使いになっている武器・装備が高価なので、もう少しディスカウント商品を使っていただき、浮いた金で、福祉・インフラに回していただけないものかという御相談です。
◇何せ、勉強不足なものですから、トンチンカン記述も多いと思われます。素人の記事とお考えになりご容赦ください。
また、国債の存在も否定しているのではありません。
◇個人資産が比較的しっかりあるはずの日本ですのに、JRやいくつかの企業は儲かっていないようですが・・・需要と供給や購買意欲の問題ですか?

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ここ2年ほど1年間の国家予算が70兆円台と旧に復しホッとしておりますが、2010年の92兆円という肥満児のような予算は一体何だったのかと、しばし考える今日この頃です。

ここでは、
◎「国債」は結局諸刃の剣ではないか?
という疑問の皆様への問いかけと
◎国防費を現時点で少しカットしていただき、福祉を主に、余れば鉄道など赤字交通網の救済にあてていただくことはできないものか?
と、オーソリティの方々への「値切り」のオネダリです。

以上の根拠らしきことを、私なりの「ザル」のような目でみて考えてみましたので皆様にも御一読いただき、多少なりとも御賛同、場合によっては御意見、御指導いただければ幸いと存じます。

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(Ⅰ)国債について

年間50兆もの国債を発行し・・・えー、ぐるり廻って江差線の話になりますので、もう少し御辛抱を・・・そこで消費税を10%にあげて、それを全額国債の返済に使ったとしても半額の25兆円しか返金に当てられません。

本当のところは、消費税増税の目的は、福祉、インフラの整備、災害復旧の予備費の備蓄などに使うのではなかったでしたっけ?
国債の埋め合わせも入ってるの?

この景気停滞の折、さらに税金をきつくすると国民の購買意欲がなくなります。国債を発行し続けて、円の信用をなくして円安にして、海外市場からの日本製品の買い付けの増加してくるのを待ちますか?

そんなことを待っていたら、日本国内でも金が動かなくなってしまいます。

日本の経済がふらふらしながらもなんとかなっているのは、個人資産が比較的保たれているからなんだそうです(☆1)。
ですから、国民全体が買い控えの風潮が蔓延しますと、円安には案外簡単にはならないかもしれません。

では、消費税で個人資産を吐き出させきれなかった政府は「デフレ」なので「貨幣単位の切り下げ」ナンカしたいわけですよ(ホント?!)。

たとえば、1/100切り下げと言っておきながら、銀行に100万円もっていっても8000円しか来ない。
銀行手数料とか称して・・・これで莫大な金額の金が銀行にたまり、してやったりの政府は銀行廻りをしてスタッフはその金で左うちわ・・・・なんてシナリオはいやですよ!

 

で・・・おそらく、政府はあの手・この手で、個人資産の切り崩しに来ないとも限らず(お!名誉棄損か?)・・・すると・・・あらフシギ・・・国債の赤字がみるみる縮んでいきましたとさ・・・めでたし・メデタシ?

そんなネガティヴな必殺技を持っている政府に、「恐れながら、江差線の復活をご検討くだされ!!」と先がフタマタに分かれた竹の棒の先端に「直訴状」をつけて国会議事堂に駆け込むわけにもいかず・・・仕方がないので・・・・それでは私はこの辺で・・・第二の手段の・・・

 

(Ⅱ)なぜ国防費を値切っちゃえ!という発想になったか?

これから、おそらく大方の日本人は、目をつぶってしまって、試みた御経験のある方はおいでにならないと思われる、国防費を値切り倒してみたいと思います。

どうして「国防」なのかと申せば、最近の装備のお値段が経年的に、物価上昇分を考えても、それ以上に高くなってきているので、その辺をもう少し何とか安上がりなものに変えていただくとか、そうでないときは、可能であれば1年だけでもいいので、武器調達を踏みとどまっていただくとか・・・(やっぱり、現実問題として、無理だよなー・・・)

 

はじめに、ソフト面ですが、射撃統制装置、スキャンシステムなど一連の相手を捕捉・追尾・攻撃を正確・容易・優速に行う技術革新は日進月歩でありますので、ぜひ、必要なものだということは心情的に理解できるのですが、例えば、戦車連(大)隊、砲兵(特科)連隊、・・・すべての隊の一台一台の車に必須でありましょうか?

観測隊を作ってそれに従って旧式車輌を動かしてもいいような気がしますが?

こういった光学機器の新システムは高いですからね!一年落ちだって、そう新品と変わらず、値段は安くなっている・・・という買い方なんて許されないのですか?

 

次に、装備の現状です。

現在の自衛隊の装備では、「国は守れない!!」との御意見のオーソリティの方々がおいでだということも重々承知しております。

現在の自衛隊編成は、自衛隊創設以来の、強化師団(重師団)化がどこかの地区でなされれば、別な地区の師団から資材・武器が抽出され、そこの師団は弱体化し・・・といった使いまわしゲームの繰り返しでありました。それが現在でも続いております。

6コ師団を旅団化し、各々に「総合近代化・即応近代化」旅団の名称を付けヘリコプター隊を付けるなどしておりますが・・・この中で、戦車隊がなくなってしまった12旅団(群馬)、高射砲兵以外戦車隊、砲兵(特科)隊がなくなってしまった沖縄の15旅団。

ただ、この2つ旅団化に際しての戦車隊・一般砲兵の極端なまでの縮小はやはり、アップダウンが多い地形や、島嶼地区を統括するのに重量機材がある不利は免れないと考えての立案と思われます。

 

ま、シロートの浅知恵の話はその辺で・・・

なんでも、伺うところによりますと、侵略国(表現が適切でしょーか?)は3波以上に分かれてくるだろう(根拠は私にはわかりません)。1波を空自がたたくと、空自はもうまとまった戦略的活動が不可能なほど勢力が激減するそうで・・・相手も3割は減殺され、日本に上陸。以後陸自が活躍・・・・というシナリオだそうです。

 

オーソリティの先生方はおっしゃいます。「最近国防費は、年度国家予算の5%程度なので、もう少しもらっても国民生活に影響がでないのじゃない?」と。

 

ではその5%というのは、ここ2年間の国家予算は約70兆でしたので、3.5兆円ということになります。

一方で、2011年度高齢者福祉予算(基礎年金、医療費、介護負担金)は約10兆円不足でした(☆3)。

この年消費税収入は10-11兆円ですが、地方税に1/3使われますのでお年寄りが使えるお金は大赤字です。

短期間のうちで、税収が減ったのが原因ですが、65歳以上の方の人口の増え方が予想より早く、就業人口(団塊世代のリタイアも効いていますね)の稼ぎでは、もう埋め合わせが届かないところまで来てしまっているということなのでしょう。

たとえば、平成12(2000)年に65歳以上の人口が日本の30%をこえるのは平成42年と予想されましたが、最近(平成22年)では平成32年と大幅に速い修正予測年がでました。

 

北海道のかつての産炭地、夕張市や歌志内市などはすでに65歳以上人口が30%を超えています。

こういうところでは、やはり残念ながら国債を使わざるを得ず、国防費を値下げ(あるいは現状維持)していただくしかないのです。

 

しかしながらその、値下げした国防費、全額が、全国の赤字鉄道にいくはずもありません。

鉄チャンとしても、むしろ、福祉(特にお子さん、御高齢の方、特別な病気の方)、インフラの整備等々、その他、重要な順番に使っていき、交通部門に使い途があって、江差線の救済金と申しますか、例の吉堀ー神明間の道道の道路整備費(可能であれば長大トンネル開削)などへのおこぼれがいただけるようであれば、こんなありがたいことはありません。

 

またひじょーーーーにいいづらいことでありますが・・・以前から「軍縮」「丸」「軍事研究」などでいわれていることで、ここ戦後ず~っとほぼ変わっていないものに、部隊配置があります。

上の刊行物で何を言われているかというと、新潟ー東京を結ぶラインは「自衛隊開設」以来、東部方面隊の守備範囲であります。

日本の中枢機能は首都一極集中型ですので、九十九里浜沖から艦砲射撃ののち、関東平野に、空挺3-4個師団が下りてしまえば、日本が、というより首都機能が占領されるのは時間の問題だそうです。

 

以下に、首都と近隣の主要部隊を列記いたします。

*東部方面隊序列(関東甲信越地方・静岡県) (☆4)
東部方面総監部(練馬区:朝霞駐屯地)
1コ師団、1コ旅団、1コ混成団、ほか直轄部隊
◎関東近郊において、緊急時、実戦部隊として東部方面軍と協調作戦が期待される教導学校

・陸上自衛隊幹部学校  ・陸上自衛隊幹部候補生学校
・陸上自衛隊富士学校  ・陸上自衛隊高射学校
・陸上自衛隊航空学校
*霞ヶ浦校 - (土浦市:霞ヶ浦駐屯地)
*宇都宮校 - (宇都宮市:北宇都宮駐屯地)

 

意外と少ないように思いますが・・・もっと、東京周囲の部隊数を増やすか、周囲の教導学校に応援体制の充実をお願いするしかないような気がしてなりません・・・・

 

(Ⅲ)最近のAFV(armored fighting vehicle、装甲戦闘車輌)はかつての巨艦主義に走っていませんか?日本の国土事情に合わないようですが?

なぜか、最近のAFV(装甲戦闘車両)は立派になりすぎちゃって、「鉄道車両で運べなくなりました。いや道路事情が良くなったので専用トランスポータで運びますから問題ありません」ですとか、日本初の50トン車輌登場(90式戦車)ですとか!!!!!

それより田舎道のショボイ橋でも!みなさん、きちんとわたって、首都防衛にきてくれるんでしょうね!!!(☆2)(☆5)
そして、首都防衛とあまりにも縁遠い位置関係の師団・旅団の序列の方々。

東部方面軍以外はそれぞれ1ランク下げて、旅団・施設群または独立連隊なんぞになりませんか?余った人員は首都圏に集合・・・

旧軍では純然たる金廻りの問題も大きかったと思いますが、「平地を行く野戦砲兵師団」と「山岳部を多く行軍する、軽量比較的小ぶりな山砲を携行する山砲兵連隊師団がありました。

戦前には砲兵力が充実していたドイツでさえ山岳師団という軽装備の師団がありました。

陸自の師団・旅団はみな「定数が同じというのが理想的」というのは、なんとなくもっとものような気がしますが、守備範囲の広い・狭い、あるいは平野部、高原・盆地、山岳部を含む土地柄が担当地域にふくまれれば、そうそう重い戦車ばかりを中心の作戦運用とはいかないように思いますが・・・ときには、軽戦車、装輪装甲車などにもご登場いただいてコストダウンを考えていただけませんか?

たとえば、標高455mの御殿場市に本部があります第一師団戦車隊、同じく標高733mの忍野に本部があります同師団砲兵隊の方々。平地の師団と同様軽快に動けますか。

緊急移動時の頼りは、東名と第二東名だけということはありませんよね?

そして浮いたお金で、JR江差線に愛の手を!(都合良すぎねーか?)

 

また、万が一、北方から外敵が侵入、北海道をスキップして青森県以南に上陸したら・・・・北海道の陸自(唯一の戦車師団)第7師団は・・・海路
本州に向けて輸送し撃沈される・・・・だけはやめてくださいネ!!

 

今度、青函トンネルが新幹線規格になるので、今まで1067mm車輌に載らなかった90式戦車も、1435mm軌道車には載るかもしれないのできちんと研究お願いしますよ。

侵略は北海道から始まるとは限りませんから・・・「<新潟平野ー富山平野+九十九里浜>のダブル上陸は戦術・戦略両面で優れていると思いますし・・・もちろん、その時は新幹線(ホントにいつできるの?)を全面運休して、第7師団の本州への緊急輸送をお願いしますヨ!

 

②おしまい。③に続きます。

 


 

軍事的に詳細なことを続けて書くと、黒羽の主張が御理解していただきやすくなるとは思いますが、このサイトは鉄ッちゃんのためのフィールドですので、鉄道以外のことを延々書き連ねることはこの場の趣旨に反します。
なおかつ③にいくまでの脈絡がなくなり、焦点がぼけます。

次回は、その③ですが、「いまさら遅いけど・・・江差線を延命する方法は本当になかったか」という命題に挑戦してみたいと思います。

④にちょこっと「AFVと砲科およびその他の装備を具体的にをケチる方法など・・・」の心ばかりのフロク付けますから。

 

参考

☆1:「お金の流れが変わった!」、PHP新書710、大前研一氏、2011.2.4、
☆2:自衛隊関係の文章は「丸」「軍縮」「軍事研究」「Panzer」の2000-2010年
ころの著作の年号が合うところを各々参考にいたしました。
☆3:各年会計年度白書
☆4:東部方面隊序列(関東甲信越地方・静岡県) Wikipedia,陸上自衛隊
☆5:最重量の90式戦車で日本の橋梁の65%が通過可能。

 

 

(文/黒羽君成)